インバウンド戦略考1 東南アジアで知られているのは北海道、東京、大阪、京都
2014/11/08
★STARMARK®代表の林正勝です
外人と仲間にはmarkと呼ばれています
週内は、業態進出案件の事業企画書や提携の締め切り連続だった為ブログの更新をお休みしてました。すいません。
今日は日頃の不摂生を正すべく泳ぎにでも行って来ます。
暑いんですシンガポール31度。
さて今日は、日本へのインバウンドについて。何回かにわけて書きます。
今日のお題は認知。
外貨獲得は、インバウンドとアウトバウンドの2つしかありません(当たり前か)
その1つインバウンドについて真剣に考える時期が来ていますが、
多くの自治体はまだ 動き方や、立ち位置について想像がついていないかもしれません。
2013年には1000万人を突破し1036万人の外国人旅行客が訪れました。
インバウンドの戦略について、最初に定性的なお話、次にデータでご説明したいと思います。
◆東南アジアで知られているのは北海道、東京、大阪、京都
皆さんは日本の都市は、どれくらい海外に知られていると思いますか? 詳しい内容は、政府観光局JNTOさんのデータに譲るとして会話として出るのは 上記4都市です。
シンガポールタクシーでの運転手さんとの良くある会話
若い人になればなるほど日本人好きです。ご年配は戦争のイメージを少し引きずってます。
「日本人だろ?北海道北海道、おれ雪を見に北海道行ったんだよ〜2回冬にいってその後1回夏にいったなぁ」
「雪みたいんだよ日本は雪がみれるんだろ?北海道いきたいなぁ」 とほぼ北海道一色のトークが繰り広げられます。
たまに、タクシーのボンネットに速度系や動画記録系のガジェットを仕込みまくっている
オタク気味のお兄様が「秋葉原また行きたい」というケースもあります。
少し層が変わって、シンガポール高島屋のイベントに来ていくつか商品を大人買い頂いたアパレル系のお姉様。
「京都にもう4回いったわ。観光客のいかない場所に行きたいんだけどどこか知らない?」
弊社の不動産を担当してくれている肝っ玉母ちゃんSheila
「mark次の京都はあなたブッキングしなさい。珍しい老舗旅館あなたならリレーションあるでしょ」
リピーターが多い印象でかなりディープなファンが散見されます。
定性的な街の声でいうと上記のイメージです。
具体的なデータも交えて見ていきましょう。
例としてシンガポールの訪日に関するデータを紹介します。
都道府県別訪問率(観光客)
1位 東京都62.4% 2位 北海道25.9% 3位 大阪府23.1% 4位 京都府21.8% と20%以上のところはこの4都道府県になります。 観光庁シンガポール資料より
千葉なども続きますが10%代なので今回は除きます。
◆トランジットも多い東京、大阪
羽田空港の国際化に伴い、対仁川空港でシェア奪還を加速している東京。
1億人/年を超える乗り継ぎ客を持っています。
大阪は、シンガポールのチャンギ国際空港との提携をした関西国際空港を使ったハブ構想を持っているので今からの追い上げが楽しみです。
純粋な「目的地」としてだけではなく、 東京と大阪は国内への経由地としての意味合いもありますので、
他県に比べると有利な立場にあります。
次にこのポジションに来れるのは、福岡、中部(セントレア)ですが、福岡が中国、台湾、香港、韓国をうまく取り込み一歩リードという印象です。
アジアのハブ国際空港2011年(東京工業大学准教授 花岡伸也)
この後出てくる、京都、北海道との関係ですが、
簡単に言うと、東京→北海道、大阪→京都、という関係が見て取れます。
ハブかつ自分のところにコンテンツ、さらに近隣コンテンツも取り込める。
ここら辺に強みがあります。
※もちろん東京→京都、大阪→北海道もあります
◆コンテンツ都市 北海道、京都
北海道は「雪」という超強い戦艦を中心に、温泉、海産、ハラルなど空母、巡洋艦が周りをかためている 状態で、
このまま国としても独立出来るんじゃないか、という潜在力をもっております。
現地の旅行代理店の方にお話をおうかがいしたのですが、
中国人が北海道に来るようになったきっかけとして 胡錦濤さんが来日された際の映像が、
もの凄いプロモーション効果があったようです。
中国のニュースは 中華系のTVプログラムを通じてアジア域に配信されますから、
シンガポールやマレーシアにいる 華人華僑にも同時のタイミングで人気が出ています。
ニセコが中心となったスノーリゾート系、札幌の雪祭り他が北海道インバウンドへの強い推進力になっています。
北京、上海、香港、台湾の4エリアでは、東京を抜く人気です。
京都は文化。 アジアには少なからず仏像や建築好きのカテゴリーの人や、
文化的なものが好きな、可処分所得の高い 日本人で言うと婦人画報な女子が結構います。
ここは明確にターゲット層ですね。どこの国もこの層は強いです。F1F2層女性ですね。
米「トラベル+レジャー」が発表した「ワールド・ベスト・アワード2014」の人気観光地ランキングで、京都が1位になったのも記憶に新しいですね。
「京都」が観光ランク世界1位!海外セレブもハマる魅力とは(NAVERまとめ)
World’s Best Awards / Top WinnersList2014(travel+leisure)
この2つの都市は鋭いコンテンツをグッと掘り下げ、
またハブ都市との接続も工夫しているため いまのポジションを取れていると感じています。
◆フランスで知っている都市は?ロシアで知っている都市は?日本も同じ
インバウンドの事を考えたときに他国はどうだったかな?と考えます。
以前、ある行政向けの提案を作成しているときにリサーチの中で解ったのですが
フランス、オーストラリア、イタリア、台湾あたりは目立って対日に宣伝を行っており
この4カ国は、インバウンドにおそらく同じくらいのウェブ経由のプロモーション費用をかけています。
日本人は彼らにとっていいお客さんなんですね。
さて積極的にプロモーションをしている各国の印象を考えてみたいと思います。
この中の1つ、フランスの都市、みなさんどの位言えますか?
パリ、マルセイユ、ボルドーあたりがまず出てくるでしょうか?
詳しい人はトゥールーズ、リヨン、ニースほかどんどん出てくると思います。
「パリ行きたいわぁ」といってパックを買うであろう一般の方々、
ボリューム層は数カ所の名称しか知らないはずです。
ロシアならどうでしょう?
ロシア・・・別に行きたくないな・・・って人もいるかもしれないし、
知っててもモスクワ、あと何かサハリン?
これが日本からみた海外の観光地の印象ですね。
じゃあ、ひっくり返してみましょう。
日本は海外からどう見えているかというと、日本通のマニアック層(自治体の事業として数字に盛り込むのが難しいレベル)は別として
ボリュームゾーンが知っている都市は、東京、京都、大阪、北海道が中心になってしまっています。
九州は台湾、香港、メインランドチャイナ、韓国に対して的を絞ったプロモーションを効果的にかけていますので、
彼の地の皆さんには 知られていますが、データの示すとおり、他のエリアにはまだ認知はこれから、という状態です。
知られなければ来てもらえませんし、知ってても行かないかもしれません。
さらに言うと知らなかったら来るわけはないわけですから
まずここの「認知をとる」ところからがスタートだと思っています。
ここまでで2時間かかっちゃったので、「じゃあどうするのか?」は続きでまた書きたいと思います。
◆インバウンドオススメ本
日本政府観光局さんのインバウンド業務ハンドブック そろそろリリースになりますが、そもそもニッチな領域な専門書の為、欧州編を見てもわかるように すぐ入手困難になって、おそらく値段が上がっちゃいますので、今のうちに買っておくことをオススメします。 いらなくなっても売れるはずですので(笑)
をはじめとして スターマークには、
自分たちが海外進出にあたって苦労したことへの解決策を パッケージにした製品があります
お客様と試行錯誤しながらではありますが、
出来るだけ価格のハードルをさげて
多くの企業に海外に目を向けて頂きたい想いで用意しております
東南アジア、シンガポール、グローバルの進出をご検討されている皆様のお役に立ち、
日本文化が海外に受け入れられていくプラットフォーム構築をしたいと考えております
リスクを自らとり、機会を創り出し、貢献したいと考えています
日本のよいものを世界へ 世界のよいものを日本へ
伝統のよいものを現代へ 現代のよいものを伝統へ
スターマークは日本文化の商社です
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